オランダの女性デザイナーでアーティストであるLizan Freijsenの作品集『The Living Surface / An Alternative Biology Book on Stains（Second Edition）』。Lizanはロッテルダムを拠点に活動するアーティストで、マーストリヒトのJan van Eyck Academieに勤務した後、ウィリアム・デ・クーニング・アカデミーで教鞭を執っています。絵画や写真を通したメディア論・公共芸術等に関する教育者であり、本書は、Lizanが長年研究を続けている「カビ・シミ・菌」などの「デザイン」を通した「時間」「経過」「変化」を描写した図版で構成された一冊。日常では可視化されない「バクテリア」の模様やその変化、野菜や果物に付着した菌の発生と繁殖の様子、建物や壁・床・天井などの劣化・変色・経過、通りに落ちたガソリンの七色模様の拡がりなど、かなりマニアックな研究が収められており、巻末には各々の図版のカラーパレットや、その模様をデザインにして創作したカーペットやブランケットなども紹介されています。2017年から18年にかけて数々のアワードの授与を受けた作品集の待望の第2版。